離れるなよ

「意識の有無は免罪符にはならない」と、昔から私は思っている。他人に対してこれを説くのはあまりにも説教くさいので基本的に自分の取る態度の指針として思うようにしている。そしてそれは何度も裏切られたし、今ではもう最初の頃の腹にドシンとくる重さはなくなって、一つのファッションのようなモノになってしまった。しかしそれでも思っている。自分の弱さは矛盾のトリガーになり得るがそれはあまり好ましくない。若く美しい身体でそれを利用するのは一文の得にもならないことを知っている。私はいつでも意図的でいたいのだ。そう願っているのだが……


松井 良太