花嫁の渡る


今までもいくつかのサイトでブログを書いたことはあったが、結局途中で飽きて放置してきた。こんな風に暇をきっかけにして始めるものは自分は長続きしないのだろうな。にも関わらず性懲りもなく、しかもご丁寧に新しいサイトに登録してまで私はまたブログを始めようとしている。なぜだろう。「人間の愚かさは幾度かの失敗の先に可能性を見出し続けることだ。そしてそれが唯一の希望でもある」というようなことを以前に本で読んだが自分は果たして。

facebookは自分が何か更新をしなくても暇潰しに眺めればいいと思っていた。だが基本的にSNSのような『多数の誰かに見られることを前提とした場所』での会話が好きではないので、そうなるとコメントのやり取りもなく「イイネ」も押せず、黙って他人の薄く引き伸ばされたプライベートを眺めるのは暇潰しとしては大分悪趣味なものだと思う。なぜ漫然と自分の今日だけを振り返ることができないのだろうか。あらゆる対象との比較は(意識の有無に関わらず)娯楽としては成り立たない筈だ。……と、こんなつまらない悪態をゴニョゴニョと吐きながらも私は毎日facebookを覗いては旧友の近況にふむふむ言いながら楽しんでいる。こういったインターネットのページでは「繋がり」が完結であるから、等価交換を求められなくて便利よネ。だから自分はジーザスアンドメリーチェインを組んでいた頃の写真だけ載せていればいい。

(そしてその仕組みに甘えている私を指をさして睨んでいるのは常に一秒後の私なのだ。どうやら長く生き過ぎた私は、俯瞰もいき過ぎたみたいね)

……情けねえな。


松井良太